フェライトラバーシート

環境対応フィルム・環境対応シート
エコロジーフィルム・エコロジーシート

家電リサイクルから排出されるフェライトをリサイクルしたシート

フェライトラバーシート

フェライトラバーシート(特許済)

  • 材質:
    フェライト充填ゴム
    ・充填素材濃度:90wt%
    ・磁力:なし(消磁処理済み)
  • 面密度:
    3.5kg/㎡---1㎜厚品の重量
  • 有害なアスファルトを含まず

フェライトラバーシートの特徴の総括

□フェライトラバーシートの組成
◆マトリックス樹脂:塩素化ポリエチレン樹脂
◆充填剤:6方晶系フェライト(90wt%、消磁処理済み)
□特徴:広い温度範囲で使用可能なゴム材質
◆機械的特性/化学的性質
・充分な可撓性を有する
・使用温度範囲:-60~150℃弾性係数の温度依存性が小さい
・耐薬品性、耐候性、熱老化性に優れる(他のゴム材質やPVC比較)
◆振動ダンピング特性
・ハイダンピング・ラバーの範疇・・・振動伝達率(Tr)が小さい
・実使用温度域(-20~150℃)で、機械的損失係数が大きく、一定
□複合性能
◆ゴム材質としての基本性能に加え、様々な特殊性能を有する。
・遮音性能(特に低周波騒音の遮蔽に効果高い)
・電磁波吸収性能
・放射能(ガンマ線、X線)遮蔽性能

機械的物性

充分な可撓性を有するゴム材質である(非架橋タイプ)

表-1:フェライトラバーシートの特性
表-1:フェライトラバーシートの特性
図-1:フェライトラバーシートの荷重-歪曲線
図-1:フェライトラバーシートの荷重-歪曲線
フェライトラバーシート

【試験片】 ・規格/JIS k6251
・肉厚/2.2㎜
・幅 /10㎜
測定委託先:千葉県産業支援技術研究所
測定器:INSTRON 5567
標点間距離測定:ビデオ法
引張速度:10㎜/min

機械的物性:温度依存性

広い温度範囲(-60℃~150℃)で、優れたゴム特性を有する

図-2:フェライトラバーシートのDMA分析結果
図-2:フェライトラバーシートのDMA分析結果

機械的物性:着磁が可能

フェライトラバーシートの再着磁が可能

A)実験結果
◆含有フェライトの種類:等方性
◆着磁ピッチ:5㎜
◆磁力
①0.5㎜品:202ガウス
②1.0㎜品:316ガウス
③2.0㎜品:508ガウス
【参考】
市販のフェライト磁石
◆フェライトのタイプ:異方性
◆着磁ピッチ:5㎜
◆磁力:700ガウス(2㎜品)

写真-1:着磁パターン

写真-1:着磁パターン

写真-2:着磁実験サンプル

写真-2:着磁実験サンプル

化学的性質

フェライトラバーシート/化学的性質
表-2:耐薬品性 IIR:ブチルゴム、CR:クロロプレンゴム
CPEEPDMIIRCR
耐強酸性
耐強アルカリ性
耐鉱物油性
表-3:熱老化性 (150℃促進)
CPECSMCREPDMNBR
耐熱性
圧縮永久歪み
耐油性
耐オゾン性

図3.jpg
図-3:各種ゴムとの比較

化学的性質:PVCとの比較

塩化ビニル(PVC)との差異

  1. 耐候性、耐熱性に優れる
  2. 塩素ガスの発生が少ない
  3. 接着性に優れる
図-4:分子構造の差異による効果

図-4:分子構造の差異による効果

図-5:PVC樹脂の脱HCI反応(連鎖反応)

図-5:PVC樹脂の脱HCI反応(連鎖反応)

PVCの熱分解:170~180℃に加熱すると、脱塩化水素(HCI)反応が連鎖的に発生する。

化学的性質:熱分解

有害な塩素ガスの揮発・発生が少ない

図-6:フェライトラバーシートのTGA曲性

図-6:フェライトラバーシートのTGA曲性

化学的性質:フェライト濃度調整が容易

充填剤の濃度変更が可能

  1. 磁性体粉末の添加が容易
  2. 希釈が可能
    希釈材:①塩素化PE②EPDM③PVCなど
写真-3:PVC希釈品

写真-3:PVC希釈品

写真-4:EPDM希釈品

写真-4:EPDM希釈品

エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)

エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)

EPDMとの希釈品の物性

表-4:EPDMとの希釈品の物性

フェライト分散状態

フェライト粒径に分布はあるが、均一に分散している

写真-5:X線CTスキャナ画像

写真-5:X線CTスキャナ画像

振動減衰特性

良好な制振性能を有する・・・「ハイダンピングラバー」の範疇
◆共振点における振動伝達率(Tr)が2以下

図-7:振動伝達率の周波数比・依存性周波数比(λ)=f/fn

図-7:振動伝達率の周波数比・依存性
周波数比(λ)=f/fn

図-8:一般的ゴムの振動伝達率(出典:NOKカタログより)

図-8:一般的ゴムの振動伝達率
(出典:NOKカタログより)

振動減衰特性(測定結果)

測定データ:
◆2個の固有振動数を検出
fn(1):708Hz/フェライトラバーシートに由来
fn(2):476Hz/固定に使用した両面テープに由来
測定委託先:千葉県産業支援技術研究所
測定器:
①振動試験機(J240/SA4M)
②FFTアナライザー(B35670A)
③デジタルチャージ振動計
周波数:0~1600Hz

振動伝達率の周波数依存性

図-9:振動伝達率の周波数依存性

遮音性能

優れた遮音性能を持ち、他の建材パネルに張り合わせることで効果を発揮します。

フェライトラバーシート遮音効果

図-10:遮音効果

測定協力
・宇部エクシモ株式会社
使用母材
・シングルコーンTSC5-1505
(穴開け品)

表-5:フェライトラバーシートの遮音効果

表-5:フェライトラバーシートの遮音効果

図-11:遮音と吸音の差異/フェライトラバーシート

図-11:遮音と吸音の差異

電磁波吸収能力

1)ノイズ抑制効果の測定/近傍界(EMIシールド性能)
・伝送減衰率(Rtp):6dB以下
・反射量(S11):6dB以上
2)電磁波吸収能力/遠方界(測定周波数:6.25GHz)
◆比誘電 (εr‘):8.6
◆誘電正接(tanδ):0.05-0.06
◆透磁率 (μr’):1.2-1.5
(μr“):0.02-0.03

6250MHz付近
試料名試料厚(㎜)
(弊社測定値)
εr‘tanδμr’μr“
0.4158.60.061.50.03
0.4338.60.051.20.02
表-6:電磁波吸収能力

測定委託先:キーコム株式会社

ノイズ抑制効果/近傍界

伝送減衰率

伝送減衰率
図-12:伝送減衰率Rtp

図-12:伝送減衰率Rtp

図-13:反射量(S11)と透過量(S21)

図-13:反射量(S11)と透過量(S21)

電磁波吸収能力/遠方界

図-14:比誘電率(実数部)

図-14:比誘電率(実数部)

図-15:比誘電率(虚数部)

図-15:比誘電率(虚数部)

図-16:透磁率(実数部)

図-16:透磁率(実数部)

図-17:透磁率(虚数部)

図-17:透磁率(虚数部)

図-18:誘電正接 tanδ

図-18:誘電正接 tanδ

放射線遮蔽/鉛当量

良好な放射線(ガンマ線、X線)遮蔽性能を示す

図-19:鉛当量検量線(ガンマ線遮蔽)

図-19:鉛当量検量線(ガンマ線遮蔽)

図-20:鉛当量検量線(X線遮蔽)

図-20:鉛当量検量線(X線遮蔽)

ガンマ線遮蔽率

図-21:肉厚依存性

図-21:肉厚依存性

図-22:単位面積重量依存性

図-22:単位面積重量依存性

測定委託先:国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
量子医学・医療部門 放射線医学総合研究所
測定装置:スタンド型照射装置137Cs
・線源:137Cs 3.7TBq(2019年8月現在では1.3TBq)
・電離箱:A-6(800cc)、電離箱印加電圧:-500V

X線遮蔽率

図-23:肉厚依存性

図-23:肉厚依存性

図-24:単位面積重量依存性

図-24:単位面積重量依存性

フェライトラバーシート/X線フィルタ測定