糊は使う?使わない?

アクリル接着における溶剤のはたらき

アクリルを接着するときに使われるのは、実は「糊」ではありません。
一般的な接着剤のように“くっつける”のではなく、溶剤を使って素材の表面を一度溶かし、化学的に一体化させるのがアクリル接着の特徴です。

代表的なのは「クロロホルム系」や「メチレンクロライド系」の溶剤。
これらはアクリルの表面をわずかに溶かし、分子同士を結合させることで高い透明性と強度を実現します。
乾燥後は接着面の境界がほとんど見えず、まるで一枚の板のような仕上がりになります。

ただし、作業には精密さが求められます。
溶剤が多すぎると白濁や気泡の原因となり、少なすぎると密着力が弱くなるため、職人の経験と判断が欠かせません。

見た目の美しさと強度を両立させる――。
アクリルの接着技術は、“透明な仕上がり”を支える見えない職人技なのです。