PETのリサイクル率、日本は世界トップクラス?

日本のPETボトルリサイクル率、実は世界トップクラスって本当?

答えは「本当」です。日本では回収されたPETボトルの約85〜87%がリサイクルされており、このリサイクル率は世界的にも非常に高水準です。
たとえばEUでは地域によって差はありますが平均約40%前後、アメリカでは20%未満というデータもあります。こうした中、日本が高いPET回収率を誇る理由は、制度と国民のリサイクル意識の高さがうまく機能しているからです。

なぜ日本はPETボトルのリサイクルが進んでいるのか?

  1. 設計段階からリサイクルを見据えた製品作り
    → 業界団体が透明性や素材の純度に関するガイドラインを整備し、リサイクルしやすい製品設計を推進。
  2. 自治体と民間の協力体制が整備されている
    → 地域ごとの分別収集ルールや、スーパーマーケット・自動販売機横などに設置された回収ボックスの普及が貢献。

注意したいのは、85〜87%という数値には「サーマルリサイクル(熱回収)」も含まれていること。
この方法は燃やして発電などに活用するものであり、素材として繰り返し使う「マテリアルリサイクル」とは異なります。
実際にPET素材が何度も再利用される割合は、25〜30%程度とも言われており、ここが今後の課題です。
日本は世界でも有数のPETリサイクル先進国ですが、マテリアルリサイクルの比率をさらに高めていくことが鍵です。
技術革新や分別精度の向上、消費者の理解促進などが、より持続可能な未来に向けた大きな一歩となるでしょう。