多難なものづくり: 透明PVC製品の実情
透明PVC生地を使用したポーチ製作は、一見すると簡単そうに見えますが、実際には多くの注意点があり、品質管理の難しいアイテムです。
加工工場に入荷した透明PVC材料には、黒い点やフィッシュアイが多く見られたため、いったん返品し、材料の作り直しを依頼しました。しかし再製造後でも、小さな黒点やフィッシュアイが完全に無くなることはありませんでした。
次の工程である印刷では、印刷後に下紙を敷かなかったため、インクの乾燥が不十分な箇所でブロッキングが発生しました。ブロッキングが確認された製品は、すべて不良品として処理しました。
さらに、裁断・印刷・フィルム検品・加工・ひっくり返し作業の各工程で、キズや汚れが付くリスクがあります。そのため印刷工場では印刷台を徹底的に清掃し、加工工場では全行程で手袋・帽子を着用しながら作業を行いました。
出荷前の段階でも検品とクリーニングを実施し、その後の検品工場でも不良品を排除しました。それでも日本到着後の最終検品では、良品の中にキズや汚れが見つかるケースがありました。
透明PVC製品の製造は、素材特性ゆえに非常に繊細で、多くの工程で細心の注意が求められることが分かります。



