グラビア印刷とは / Rotogravure
印刷方式には、凸版・凹版・孔版・平版といった種類があります。
その中でグラビア印刷は凹版印刷法の一種で「写真凹版」とも呼ばれます。版胴(シリンダー)がインク量を調整できるため、写真のような微細な濃淡や質感を高い精度で再現でき、世界各国でお札や切手の印刷にも採用されている方式です。
グラビア印刷という名称の由来
グラビア印刷は、ドイツの Rotophoto 社が使用していた印刷方式「Rotogravur」に由来し、社名が名詞化した言葉です。 Roto は「回転」、Photo は「写真」、Gravure はフランス語で「版画」を意味します。 1970年代、日本の雑誌で女性タレントの写真ページが増えた際、この方式で印刷されたページを「グラビアページ」、そこで活躍するモデルを「グラビアアイドル」と呼ぶようになりました。その名残は現在でも使われています。
グラビア印刷の仕組み
1. 凹版シリンダー(版胴)の構造
鋼管製シリンダーの表面に銅メッキを施し、腐食法や彫刻法で「セル(凹部)」を形成したものが版胴です。セルの深さ・幅・密度により、色の濃淡が表現されます。2. インク充填とドクターブレード処理
印刷機のインク槽からセルにインクを満たし、ドクターブレードによって余分なインクを掻き取ります。3. 基材への転写と乾燥
回転するシリンダーが圧着ロールとともに基材へインクを転写し、その後乾燥させて印刷が完了します。

