ポリアセタール(POM)樹脂とは
POMはアセタール結合で結びついているので、ポリアセタールPolyacetalと称します。化学名はポリオキシメチレンPolyoxymethyleneで、ISO略語はPOMです。
ポリアセタール、略してポリアセ、ポム、と呼ばれることが多いです。
ポリアセタール樹脂、ポリオキシメチレン樹脂とは、メチル基-CH2-と酸素-O-が交互に規則正しく並んだオキシメチレン-CH2O-を単位構造に持つポリマー重合体です。
ポリアセタールは、機械的性質や耐熱性に優れるエンジニアリングプラスチックの一種で、5大汎用エンプラの一つとされる素材です。
着色剤や添加剤を含んでいないポリアセタールの外観は、乳白色です。
POMの比重は約1.4g/?と汎用エンプラの中でも高く、これは、結晶内の分子間距離が小さく強固で、結晶性・結晶化度が高い為で、機械的特性がバランス良く優れてます。
溶融状態から結晶化させる為に要する結晶化潜熱も高く、成型時に影響します。
ポリアセタールの種類
ポリアセタールはホルムアルデヒドのポリマーですが、分子構造により2種類有ります。
ホルムアルデヒドのみで重合し、分子構造が-CH2O-の繰り返しになるホモポリマー(パラホルムアルデヒド[-CH2O-]n、均質重合体)と、オキシエチレンoxyethylene単位構造を含むコポリマー([-CH2O-]n[-CH2CH2-]m、共重合体)です。
同等の意味を持つ「ホモ」と高分子の意味を持つ「ポリマー」を掛けたホモポリマー、2種類以上のモノマーから構成するポリマーで、共にの意味を持つ「コ」を掛合わせコポリマーと呼ばれます。
ホモポリマーとコポリマーの違い
ポリアセタール樹脂は、分子構造でホモポリマーとコポリマーの2種類に分かれます。
ホモポリマーは結晶化し易く、融点、弾性率などがコポリマーに比べて高くなります。
コポリマーは環境特性が良く、酸アルカリ等の耐無機薬品、熱・紫外線などによる耐劣化性がホモポリマーに比べて優れています。